
「貯金は裏切らない」、多くの人が、そう信じてきました。
実際、日本では貯金=堅実・安全・正解という価値観が長く共有されてきました。
でも最近、こんな感覚はありませんか?
- ちゃんと貯金しているのに不安が消えない
- 節約しているのに余裕が増えない
- 将来のことを考えると、漠然と怖くなる
もし当てはまるなら、それはあなたの考えが間違っているのではなく「時代の前提」が変わってしまったからです。
インフレで貯金の価値が下がる仕組み
インフレとは、単に「物の値段が上がること」ではありません。
本当の意味は、同じ金額のお金で買えるモノやサービスが減っていく状態のことです。
たとえ貯金額そのものが減っていなくても、インフレが進めば進むほどそのお金が持つ“力”は少しずつ弱くなっていきます。
この変化はとても静かに起こるため、気づいたときには「以前と同じ生活ができない」と感じるケースも少なくありません。
では、なぜこのようなことが起きるのでしょうか。
理解のカギは、お金の見方そのものにあります。
お金は「数字」ではなく「力」
多くの人は、お金を「いくら持っているか」で考えます。
でも本当は、お金は「どれだけの生活を支えられるか」が重要です。
たとえば、貯金100万円があったとして
- 5年前:1年間なんとか暮らせた!
- 今:同じ生活をすると足りない…
この差を生んでいるのがインフレです。
インフレは“静かな減価”
インフレの怖さは、一気に奪われないこと。
「少しずつ」「気づかないうちに」「でも確実に」
お金の力を弱くしていきます。
しかも銀行預金は、
- 金利:ほぼ0%
- インフレ率:2〜3%以上
という状態。
つまり貯金しているだけで実質的には毎年目減りしている。
これが、「何もしていないのに不安が増える」正体です。
日本円だけでは危険なケース
多くの日本人は、「日本で生活しているのだから、日本円だけ持っていれば問題ない」と考えがちです。
確かに、日常生活では日本円があれば困りません。
しかし資産という視点で見ると話は変わります。
お金は「国内で使えるか」だけでなく、世界の中でどのくらいの価値を持つかという評価も受けています。
円安が進むと生活が苦しくなるのは単なる物価上昇ではなく、日本円の価値が相対的に下がっているサインでもあります。
この点を理解するには日本円を「世界の通貨の一つ」として見る必要があります。
日本円は「日本だけで使う通貨」
ここで一つ、視点を変えてみてください。
日本円は、日本国内では使えるが、世界では「数ある通貨の一つ」
円安とは世界の中で日本円の評価が下がること。
つまり、同じ1万円でも世界基準では価値が落ちているという状態です。
生活が苦しくなる理由は「浪費」ではない
円安になると、
- 食料
- エネルギー
- 日用品
が値上がりします。
これは「贅沢しているから」「無駄遣いしているから」ではありません。
日本円の価値が下がっているだけ。
ここを理解できないと「もっと節約しなきゃ」「自分が悪いんだ」と、自分を責め続けることになります。
でも問題は個人ではなく、通貨の構造です。
日本円100%は「リスクを選んでいる状態」
実は、
- 日本円だけ
- 日本の銀行だけ
に資産を置くことは、「日本経済一本勝負」を選んでいるということと同じです。
これは「勝てば問題ない」「でも外したら逃げ場がない」状態です。
世界では、
- 通貨
- 国
- 資産の種類
を分けるのが当たり前。
日本人だけが「気づかないうちに一点集中」しています。
少額から始める資産防衛法
「資産防衛」と聞くと、「まとまったお金が必要そう」「難しそう」。
そんなイメージを持つ人は少なくありません。
でも実際は、資産防衛こそ特別な人ではなく“普通の人”のための考え方です。
むしろ、収入や貯金に大きな余裕がない人ほどインフレや円安の影響を強く受けてしまいます。
だからこそ、大きく増やすことよりも今あるお金の価値を守ることが重要になります。
資産防衛=お金持ちの話ではない
ここで多くの人が勘違いします。
「投資は余裕がある人のもの」
でも実際は逆。
余裕がない人ほど、防衛が必要です。
なぜなら、
- 円安
- インフレ
- 物価高
の影響を、一番ダイレクトに受けるから!
「全部変える」は不要。「少しずらす」だけ
資産防衛の本質はとてもシンプル。
- 日本円を捨てない
- でも日本円“だけ”にしない
これだけ。
たとえば、
- 9割:日本円(生活・安心用)
- 1割:日本円以外(防衛用)
この1割があるだけで、
- 円安
- インフレ
への耐性は大きく変わります。
なぜ「仮想通貨」と「金」なのか
防衛資産として選ばれる理由は共通しています。
- 国の財政に依存しにくい
- 世界共通の価値基準がある
- 少額から始められる
つまり「日本円が弱くなった時の逃げ場」として機能する資産です。
貯金は「土台」、防衛は「保険」
貯金を否定する必要はありません。
ただし今は、
- 貯金=土台
- 資産防衛=保険
という考え方が必要な時代。
今日できることは「いきなり買うこと」ではなく「正しく理解すること」
この一歩が将来の不安を確実に小さくします。

